2016年2月10日水曜日

ペンテコステの風が吹く

朝10時ウィーン市内にあるシュテファン教会が鐘を鳴らす。
日曜礼拝の始まりだ合図だ。
市内中央に昔から存在するシュテファン教会。
そこいらの建物とは別格の歴史と雰囲気。
しかし、それに負けじと周りにある石造の家々の風格。
石造りの街の中を鐘の音が力強く駆け抜ける。
遠くからは騒音に近く、近くは鐘がねの音色と音の大きさで遠くなる。
質的研究とは、そういう、たとえるなら一人の人間だけの波長に主眼を置いて見、量的研究は鐘の騒音の周波数をデータで出すのだろう。

ガランゴロンディンガランゴロンディン
教会の塔を見上げると、青い空。
聖霊はみえない。
ドアの前には恐いワンワンと可愛いワンワンが一杯いて。
可愛いワンワンは恐い警察犬握っていた。
そして二台の外国車(BMとベンツ)。

中に入り、待っていると鐘が鳴りやみ、賛美歌とパイプオルガンの音が響き始めた。
ろうそくをもった少年少女、それに囲まれるようにしている偉い人たちがやってきた。
司祭入場である。
今日は聖霊降臨祭。
普通の日曜日と訳が違う。
イエスが復活し昇天したあとに集まり祈っていた120人の信者の上に聖霊が降り立ったという、聖書の話を記念しての礼拝である。

ドイツ語でミサが始まる。
父と子と聖霊の皆によって アーメン。の抑揚の仕方は世界共通のようだ。
突然、司祭が英語でこういった。「.we have a special guest today. ダライラマ」。
ダライラマだけだった。イスラム教の偉い人も来て、平和とは何かを議論するのではなく、最近ヨーロッパにいるダライラマがたまたま来ていたようだ。
賛美歌が次々流れ、司祭は何か言う度にアーメン。
ダライラマのお言葉を待っていると、彼は帰っていった。
教会を出た。

お土産を買って空港へ向かい、アムステルダムへ。
機上から街を見る。
ヨーロッパの広大な平野の中に無駄な箇所が無い。
林や森をあまり見かけることはなく、農地と家。
そしてたまに街。
ドナウ川が流れ、その水を生活の糧としている人々がいた。
もう彼らは何代もそういう生活をしていたのだろう。

整頓された大地の上を行く。
日本上空とは整頓の意味があいが違う。
日本人には自由の意味合いをよくよく考えて貰いたい。。
アムステルダムに着く。
ホテルに到着後近くのお店でコーヒーを飲み、窓辺の席にはペンテコステの風が吹いていた。

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