2016年2月11日木曜日

大人の二乗

イヤフォン付けて電車で座ってると
女学生が二人乗ってきた。

会話はあいにく聞こえない。

二人とも似たような格好して、似たような髪の色にして、広告の北川ケイコみたいな化粧して。

対面に座っている、結婚式の披露宴でも参加するかのような格好をしている、黒で統一された濃いテカテカグレーの靴を履いた、30代の女性の控えた美しさが対照的だった。

そういえば、今日の国立科学博物館はキタネーオヤジとウルセーガキと綺麗なママで一杯だったなぁ。
コンピューター博物館に行こうと思ったら、日本にないんだってな。
ってことで、コンピューターコーナーがあるってネットに書いてあったから、上野の博物館に足を運んだって訳よ。
そしたらさ、今日からインカマチュピチュ展じゃない。
いやー、もう文系はねぇ。
って思いながら1400円払って中に入った。
まぁミーハーよ。

インカ帝国の興亡。
山脈に棚田を作り水路を造り民を食わせ他民族を侵略し従わせ。
侵略され滅んだ文明。
文字を持たない人々。
彼らが書いた小説でもあったら是非とも読んでみたい。
戦争を起こし、他民族を侵略した王。
スペイン人に殺された王。
釈尊はなかなか鋭い事を言ったもんだ。
諸行無常
是生滅法
生滅滅已
寂滅為楽

いやいや、こんなものを見に来たのではない。
コンピューターの未来に対するヒントはないかと、思って来たのだ。
電子計算機は作業を効率化させた。
それにより社会はさらに加速する。
40年ほど前に国鉄に大型のコンピューターが導入され、座席予約システムが構築された。
これにより便利に、そして素早く予約が出来るようになった、という。
なるほど、って。40年前かよ。
ふむぅぅぅ。
コンピューターの未来か。

しかし、まぁ、コンピューターコーナーは狭いなぁ。
工作機械やら、人工衛星やら、江戸時代の科学資料やら、零戦やらおいてはあるが、これだけか。
国産自動車のオートモの設計図がおいてある。
見る。
意味がわからないが、親父の話とかみ合わせて落ち着いて見れば、わかるぞ。
これは後輪駆動部のデフで、これはシャフトだな。
そーすると、これがトランスミッションで、そこから一本の棒が座席の横にあるわけだ。
なるほど。
内燃機関をつんだ車の構造は進化してないんだな。
大衆化はしたけど、車の過去と過去から見る現在はさして変わってないんだな。
そこに入るのが電気自動車か。
車という用途は変わっていない。
コンピューターの用途は多岐にわたる。
コンピューターの未来か。


電車の隣が一席あいたので、そのうちの一人が座る。

あいにく会話は聞こえない。
曲が終わったタイミングで会話が耳に入った。

「でさ、ミカ何て答えたと思う?」
「なんて?」
「大人の事情だ、って。」

笑いが吹き出しそうになって、堪えた。
お前も大人だろ。おい。
子供なのか?
あ?
いや、大人ぶってたいんだろうな。
体は大人なのによ。
大人なのによ。

会話がなかなかバカらしくて面白いぞ。
頑張って聞くことにした。

「んで、彼女のパパ頭良いらしくて。青学出て不動産はじめたんだって」
「すごいねー」
「アオガクよアオガク」

またしても笑いそうになった。
アオガクで頭が良いとか言っちゃうんだから、たぶん余程のバカなんだろう。
顔は絶対にニヤニヤしている。
聞かないようにつとめた。
これこそ大人の事情である。

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